カテゴリー: コラム

「夏祭りと著作権」

今年の夏は例年にない暑さで皆さんもお疲れだと思います。そんな夏の風物詩と言えば、夏祭りです。夏祭りと言えば「盆踊り」を皆さんも連想することも多いでしょう。

行政書士として著作権業務に触れた経験があるので、夏祭りの会場で伝統的な盆踊りの曲や、現在では有名人の楽曲が盆踊りの曲として使われていることに、著作権法上の問題がないか気になることがあります。

また、盆踊りには「振り付け」が当然にあります。「振り付け」は著作権法が言う「著作物」に該当して、第三者が自由に利用することができるものなのか気になったりします。

 

盆踊りで使われる伝統的な楽曲(東京音頭、炭坑節など)は、①主に著作権の保護期間満了(パブリックドメイン)であったり、②営利を目的としない上演等(著作権法第38条)として、権利者の許諾なしで音楽を流すことができます。

他方で、有名なミュージシャンの楽曲については現在も著作権の効力が及び、原則として著作権者の許諾が必要です。では何故、盆踊りの会場で「ダンシングヒーロー」や「盆ギリ恋歌」などの楽曲が使われ、日本の夏祭りの盆踊りの盛り上がりの一翼を担うことが出来ているのでしょうか。タネ明かしをすると、次の3つの条件をすべて満たす場合は、例外的に著作権者の許諾(手続き)なしで音楽を流すことができます。

①営利を目的としないこと(町内会や自治体などによる非営利の催し)、②聴衆や観衆から料金を受けないこと(入場料や参加費が無料)、③出演者や実演家に報酬が支払われないこと(無報酬)をクリアすることで「例外的」に夏祭りなどのイベントで有名なミュージシャンの楽曲を流して盆踊りをすることができるようになるのです。

 

地域の夏祭りだから、盛り上がる楽曲を自由に使うことができて当然と思うかもしれません。それは、使う側の論理です。著作権は国内では著作権法などで、国外の条約締結国間では重要な権利として守られています。勝手にコピーして使われたり配信されないという財産権的側面や、作品を勝手に改変されないなど、クリエイターの精神的な名誉やこだわりを守ります。

少し長くなりましたので、「振り付け」の著作権法上の問題点については、またの機会に。

残りの夏も楽しくお過ごしください。

鈴木克尚

令和8年度 鎌倉支部定時総会・政治連盟定時大会開催

令和8年5月18日、鎌倉市大船の鎌倉芸術館にて、鎌倉支部定時総会と、政治連盟鎌倉支部定時大会が開催されました。

総会は15時に開会。司会の蒲谷渉副支部長より、定足数を満たし有効に成立している旨の報告があり、議長には小杉熏会員が満場一致で選任されました。令和7年度事業報告から役員等候補者選考委員の選出まで、いくつか質問はありましたが、議長の円滑な進行のもと、すべての議案が可決承認されました。西脇支部長の体制も2年目を迎え、新入会員や転入者も増えて、活気の感じられる総会となりました。

引き続き、政治連盟鎌倉支部定時大会が行われました。こちらも定足数を満たして有効に成立し、全議案が可決承認されて無事閉会しました。

その後の懇親会は、総会と同じ会場で開かれました。私が初めて司会の大役を務めることになり緊張しましたが、西脇支部長の挨拶、来賓の神奈川県行政書士会・小川恵一副会長のお言葉、同じく本会副会長である田中誠会員の乾杯のご発声と、和やかに会は進みました。荒井副支部長のピアノ演奏からの西脇支部長の独唱という鎌倉支部名物のアトラクションに新入会員の紹介も加わり、大先輩から若手まで分け隔てなく歓談を楽しみました。役員の尽力とケータリングに支えられた会は、盛況のうちにお開きとなりました。

これからも微力ながら役員の皆さんを支え、鎌倉支部をともに盛り上げていけるよう、支部の活動に携わっていきたいと思います。

(中尾幸樹)

部屋という楽器

スピーカーという道具は、いつまで今の形を保ち続けるのだろう。箱の中に音を閉じ込め、そこから正確に取り出すという考え方は、長いあいだ家庭用オーディオの中心にあった。けれど私は最近、少し違う方向に心を惹かれている。

いま使っているのは、自作の小さなオープンバッフル風スピーカーである。木の板にユニットを取り付け、背面を大きく開いた素朴な構造だ。密閉された箱の力強さとは違い、音は部屋の中へふわりと広がる。声や弦楽器の表情が、輪郭だけでなく、空気の揺れとして立ち上がる。

さらに部屋には、音を拡散させるディフューザーと吸音材を置いた。響きを殺すのではなく、散らし、整え、少しだけ余韻を残す。そうすると、スピーカーだけが鳴っているのではなく、部屋全体が音楽に参加してくる。小さな自室が、ふと東京文化会館の客席のように感じられる瞬間がある。

好んで聴くのは、古い時代のオペラや管弦楽である。後期ロマン派の名残を引きずり、指揮者が時に大胆に歌わせ、時に崩れるほど自由に表現する演奏。現代の整った録音にはない、人間くさい揺れがある。オープンバッフルの広がりの中では、その細かな息づかいや間合いまで、生演奏に触れるように理解できることがある。

音楽を聴くとは、装置を鳴らすことではなく、空間を鳴らすことなのかもしれない。
そう思いながら、今日も木と音と部屋に向き合っている。

翁川芳明

令和7年度最終 鎌倉支部研修会・懇親会開催

<研修会概要>

開催日時:令和8年2月13日(金) 15時15分~17時00分

場  所:鎌倉市生涯学習センター「きらら玉縄分室」

テ  ー  マ:「行政書士としてカバーしておきたい税務知識」

講  師:狹川 知己 会員

参加人数:38名

<懇親会概要>

開催日時:同日 17時15分~

場  所:韓国居酒屋 北斗七星

 

今年度最後の支部研修会が開催されました。

参加人数は、他支部からも参加をいただき、当初の定員を超え、40名弱となりました。

タイトルは、「行政書士としてカバーしておきたい税務知識」と題され、鎌倉支部研修委員長の狹川知己会員が講師を務めました。

狹川研修委員長は、元国税局勤務の経歴をもつ税理士兼業の行政書士です。今回は、これまでの経験と知識をもとにした内容を講義くださいました。

研修は、狹川研修委員長の講義に加え、参加者を4グループに分け、3つの例題をグループワークで取り組み、グループごとに発表をする形式で行われました。講義に沿ったグループワークの例題になっており、早速、実践的な頭の使い方ができました。

行政書士として、税に関する業務を受任することはできませんが、遺言や相続関連の業務を受任する際にも、基本的な税務の知識をもっておくことで、相談者様への提案の選択肢が増えると思いました。予備知識をもっておくことは重要であると実感するいい機会となりました。

 

研修会後には、韓国居酒屋「北斗七星」にて懇親会も行いました。懇親会は、会員による開会の挨拶で始まりました。今回は、研修委員である、私、中野有香とのじゃんけん大会を開催し、景品は狹川研修委員長の事務所グッズで、鎌倉の町並みが描かれた素敵なトートバッグなどでした。満足感たっぷりの韓国料理と一緒に、会員同士の交流を深め、有意義な時間になったかと思います。

 

来年度も様々な視点からの研修で、日ごろの業務に活かしていただき、街の法律家としての役割を果たしていきたいです。本年度もありがとうございました。

(研修委員 中野有香)

相続登記に続き、住所等変更登記も義務化されました。

今回初めてこのリレーコラムのバトンを受けました奥山と申します。

私は長年藤沢市にある司法書士と行政書士の兼業事務所に勤めていたのですが、昨年まず行政書士を登録、勤めながら副業として業務をスタートし、そして、今年司法書士を登録、この春より晴れて前事務所を退職し個人事務所として独立開業したところでございます。顧客満足度の向上と法令の遵守を胸にこれからも頑張っていこうと思っております。

さて、今回のコラムですが、司法書士業務である不動産登記について、少しお話しさせていただきたいと思います。

皆さんご存じだと思いますが、法改正により、令和6年4月1日から相続登記が義務化されました。「相続が発生したら3年以内にその旨登記をせねばならず、それを怠ったときは10万円以下の過料」というものです。これは、既にマスコミ等でも取り上げられているので、その情報を聞き慌てて相続手続きを行ったという方もおられるのではないでしょうか。

そして、その法改正の第二弾が令和8年4月1日付で施行されました。「住所等変更したら2年以内にその旨登記をせねばならず、それを怠ったときは5万円以下の過料」というものです。こちらは、まだそれほど周知されていないように感じます。

どちらも、空き家・所有者不明土地問題に対する国家の政策として行われたものです。 何としても税金を取りたい国の考えと穿った見方もできなくはないのですが、実際私たちの身近にもこの問題は多く存在しています。

1.危険な土地・家屋やゴミ屋敷のような空き家でも、行政すら簡単に手出しできない。

1.震災復興や公共事業が滞る。

など、ニュースで見聞きした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

なんと、少し前の研究報告によると、全国約2億3000万筆の土地のうち20%超が所有者不明土地に該当し、その面積は約410万haで、九州368万haを上回っているそうです。空き家に関しては、2023年の調査で日本の7軒に1軒が空き家、2033年には3軒に1軒が空き家という予測もされています。

もし皆さんがお住まいになっているお隣りが、崩れそうな土地だったり、危険な空き家・ゴミ屋敷なのに、所有者に連絡ができないという状況は困ってしまいますよね。登記が義務化されたことにより、そういった場合の対応がしやすくなることは望ましいことと思います。

国家の対策としては、遅すぎる対応なのかもしれませんが、期待を込めて見守りつつ、私もひとりの司法書士・行政書士という法律専門家として、国民の権利と安全を守るという意気込みで業務に当たりたいと思います。

なお、相続登記の義務化については登録免許税の減免があったり、住所変更登記の義務化については検索用情報の申し出することにより職権で登記される制度があったりと、国民の負担を軽減する方法も同時に定められています。国家の政策には、アメとムチが用意されているのです。実に上手くできていると感心してしまいますね。

何にせよ、過料などというバカらしいものを払わなくて済むように、不動産の名義人に相続が発生したとか、お引っ越しをした場合は、早めに専門家にご相談ください。

 

関連した情報として、

1.所有不動産記録証明制度(令和8年2月2日施行)

今まで、所有不動産を調査する方法は、市役所等で名寄帳を取得する方法しかありませんでしたが、この制度を利用することにより登記名義人として記録されているすべての不動産を調査することができます。例えば、鎌倉市の自宅の他に田舎の不動産を所有している方は、今まで鎌倉市役所と田舎の役所と別々に名寄帳を請求しないといけませんでした。しかも、非課税の物件は名寄帳に記載されないこともあり、手続きが漏れてしまうこともあったと聞きます。今後は、この制度を利用することにより、全国どこの法務局でもすべての所有不動産を一か所で検索できることになります。

 

他問題として、

1.外国人の不動産取得に対し、不動産価格の高騰・安全保障上の問題・自然資源の保護という問題が叫ばれていますが、現在、大きな規制はされていません。

現在施行されている対策:

外国為替及び外国貿易法(外為法)→財務省への報告義務

重要土地等調査法→内閣府が「注視区域」「特別注視区域」を指定し調査・勧告

鎌倉も外国の方に人気の高い観光地ですから、もう既にオーバーツーリズムの問題は発生しているようですし、将来的に高すぎて不動産が買えない・借りられないというような状況になったりしたら、住みづらくなって困りますね。排除するのか、共存するのか、どんな形で規制するのか、皆さんも色々思うところがあると思います。

大好きな鎌倉が、これからも素敵な街でありますように、日本の不動産登記制度が良い方向に向かいますように、皆さんと一緒に力を合わせて頑張りたい。なんてことを思いながら、私は今日も、海外の観光客の方がいっぱいいる稲村ケ崎公園で、のんびりと海を眺めております。(→ただ、仕事をサボって波チェックしているだけです。)

 

なんだか、一方的に情報を発信しただけのコラムになってしまいました。少しでも皆さんに興味を持っていただき、活用していただければ幸いです。また稚拙な文章で読みづらい部分もあったと思いますが、ご容赦ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

奥 山 健 一

 

鎌倉支部 令和7年度第2回研修会・忘年会

日時:令和7年12月19日(金)   15時15分~17時00分

会場:鎌倉生涯学習センター 第5集会室

講師:蒲谷 渉会員

参加人数:26人

 

令和7年12月19日、鎌倉支部第2回研修会・忘年会が開催されました。

研修タイトル「多数相続人の遺産分割協議の考え方、進め方」を鎌倉支部の蒲谷渉会員が講師を務めました。行政書士としてお客様から相続業務の依頼を受けたところから始まり、遺産分割協議書の作成まで、蒲谷会員の事例を元に解説がありました。

受任した際に依頼者との初めての打ち合わせで、行政書士業務の原則について、「非弁行為にならないために、相続人同士の話し合いには、立ち入らない。相続人間で争いになっている案件を受任しない。相続人間において、意見が合わず自発的に話がまとまらない場合には、遺産分割協議を成立させない。」など会員が行っている経験からの話でとても勉強になりました。

多数相続人の遺産分割協議については、いくつかの事例をもとに相続金額の分け方の提案をし、相続人間での合意を十分な時間をかけて待ったところで、遺産分割協議書を作成する。預金、不動産の分け方についての提案の詳細な説明がありました。相続人が多く、財産が多い場合には、特に多くのことに気を使い、慎重な対応を行わなければならないが、行政書士としての業務をしっかりと行えば、怖がらずに仕事を受任することができると再確認できました。

 

研修が終了し、忘年会の会場「鎌倉1129」へ移動しました。参加者は34人、忘年会からの参加者も多数いました。忘年会は、西脇支部長の挨拶で始まり、元支部長、現神奈川県行政書士会副会長の小林会員の乾杯の挨拶で会員たちの歓談となりました。

鎌倉支部恒例の出し物は、中澤会員のフラダンスと西脇支部長のウクレレに合わせた荒井副支部長、狹川研修委員長のダンスでした。さらに、はずれくじなしのくじ引き大会が始まり、高島屋の商品券から都こんぶまで、皆が景品を獲得することができ大いに盛り上がり、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。

令和8年度の研修も充実した内容を期待しております。

(櫻井 貴美子)

 

支部加盟一年を迎えて

早いもので、鎌倉支部に加盟させていただき1年と数カ月が経ちました。

 

今泉台に事務所を構える平山元一と申します。現在、兼業で横須賀の外国人経営の会社を設立当初からお手伝いさせていただいております。

会社の代表はもう日本在住が長いのですが、いざ事業となると、不案内なことも多く、私が日本の法令や許可認可の必要性を説明する役回りとなりました。

これがしばしば頭痛の種となります。うっかり単純に翻訳して説明したりすると、大きな誤解を生んで後から修正するのが大変になります。そこでできるだけ法令の背景や歴史を加味した説明をするよう心掛けるようにしています。行政書士という職業を、身をもって知ったのも会社の仕事からです。

そうこう勤めてもう10年。そろそろ年齢的にも次の人生の方針を考える必要があると考え始め、そして今までの職歴を洗い直した結果、行政書士の資格の勉強を始めました。試験は、当初自分が思っていたよりも相当手強く、合格まで時間がかかってしまいました。が、今はその分法律が学べたと自分を納得させています。

 

行政書士の仕事としましては、在留資格をメインにと思っております。が、普段、外国人の会社の代表や同僚と話しておりますと、在留資格の情報をよく知っており、「まだまだ研鑽が必要だな…」と思ったり致します。

なんとか独り立ちできるようにがんばりたいと思いますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

(平山 元一)

令和7年度鎌倉支部レクリエーションのご報告

11月21日(金)に、鎌倉支部のレクリエーション「キリンビール横浜工場見学会」が行われました。

秋らしい爽やかな風が吹き、工場見学のあとのテイスティングと見学会後に催される食事会が待ち遠しくなるような好天でした。

会場のキリンビール横浜工場は、京浜急行生麦駅と新子安駅の間、ほぼ生麦事件のあった場所にあたり、構内には近代的な工場設備のほかに旧い赤レンガ工場を模したレストランなどがあるちょっとした憩いの場。

工場見学は一般客の方達と一緒の組で、人の姿の見えない近代的で清潔な製造ラインと工程の見学。

見学コースでは、大麦畑やホップ畑の視覚や聴覚に訴える動画を見ながら、麦芽の試食やホップの香りの体験や、一番搾り麦汁と二番搾り麦汁の飲み比べなどを体験。

そして、工場見学の締めくくりは、お待ちかねのテイスティング。そして、ショップでのお買い物。

見学終了後は、併設のレストランで食事会と、和気あいあいで楽しくおいしい時間を過ごすことができました。

(軽部 智)

BtoB契約と知財契約

私は、以前は各種のプラントや生産設備の設計、製造及び据付けを主要な事業とするBtoBビジネスのメーカーに勤めていました。事業部門に配属され、入社から数年は調達部で海外ベンダーとの仲介貿易(プラントの構成機器をA国の会社に発注し日本を経由することなく直接B国に輸送する取引)に従事しました。その後、営業部門で主として輸出案件を担当しました。

調達、営業のいずれの業務においても、海外との取引では相手方と内容・条件を詳しく取り決め、合意した内容を書面の契約にまとめることがたいへん重要です。国内取引の場合は業界の慣行や通念がありまた過去から継続して取引してきたという信頼関係が存在する場合もあり、それらが契約の規定を補充するので契約書は比較的シンプルな内容になります。これに対して、海外企業との間にはそのような契約を補充する要素は期待できませんから、個々の案件において契約条件を詳細に取り決め書面化する必要があります。プラントの輸出に係るEPC契約(プラントの設計(Engineering)、機器の調達(Procurement)、建設(Construction)を一括して請け負う契約)ではコマーシャルパートだけでも百ページ以上になることが通常でした。

その後、事業部門から知的財産部門に異動し、共同研究契約、ライセンス契約および特許共同出願契約などの知的財産に係る契約(以下「知財契約」といいます)に従事しました。会社は機械メーカーでしたから、対象となる知的財産は主として特許、ノウハウ及び図面・書類・プログラム等の著作物でした。

事業部の契約も知財契約も事業者間の契約という点では同じ性格でしたが、知財契約には特徴的な点がありました。それは、事業部の契約が製品という有体物を対象とするのに対して、知財契約は無体の財産である情報が対象であることから生じる相違でした。

契約の対象が一つの有体物であれば、その物品は一個しか存在せず、その所有者しかその物品を使用・収益・処分することができません。これに対して、知財契約の対象は知的財産という無体の情報であり、それは容易に複製し伝達することができます。したがい、知財契約では、①対象となる知的財産がどの当事者に単独で帰属するかまたは当事者が共有するか(共有する場合はその持分割合の決定を含む)という取り決めに加えて、②対象となる知的財産をどの当事者がどのような条件で実施できるかを規定しなければなりません。つまり、知財契約はまず権利の帰属を取り決め、次いで実施の条件を取り決めるという二段階の構成になります。また、共同研究契約などの場合には、その当事者がユーザー(顧客)とメーカーであるか、メーカー同士か、メーカーと大学や公的機関であるかなどいくつかの類型があり、各々のケースに応じて、適切な契約条件を取り決める必要があります。

事業部の契約にも、対象となる物品の設計・製造の過程において改良や発明などの知的財産が生じた場合の取扱いに関する条項を設けることがあります。

皆さまが知財契約や知的財産に係る条項を扱う場合には、権利の帰属と実施の条件という二段階の構成で規定することを意識したうえで、その内容を交渉し取り決める必要があることにご留意ください。

高橋文雄

【令和7年度第1回 鎌倉支部研修会のご報告】

日 時:令和7年9月5日(金) 13時30分~17時

会 場:逗子市交流センター

講 師:平塚支部 山本毅会員

出席者:31名(うち他支部9名)

 

今年度第1回目の研修会では、平塚支部の山本毅会員を迎え、『建設業許可基礎の基礎(法令改正点を踏まえながら)~建設業許可事例検討』と題して講義を行いました。

講義前半では、神奈川県行政書士会の「研修テキスト(建設業許可・新規)」、「研修テキスト(建設業許可・決算変更届)」をもとに、建設業の基本的な考え方から申請書の作成方法、許可後の決算変更届までの流れなどの話があり、初心者でも非常にわかりやすい講義でした。

また、講義の中では、テキストや県の手引きなどに載っていない実務上のコツなども満載で、「そこが聞きたかった。」と思うような話も多くありました。

 

講義後半では、3件の事例を題材にして、グループごとに事例検討を行いました。事業者から聞き取った内容をもとに、許可申請をするために確認・提案するべきことを各グループで検討し発表するというものです。

初心者ばかりのグループ、ベテランが多いグループなど様々でしたが、同じ設問に対して発表内容はグループによりまったく異なることが多く、発表を聞くたび衝撃を受けつつも、楽しく学ぶことができました。

山本会員からは、どのグループの発表に対してもひとつひとつアドバイスや考え方を伝えたうえで、許可申請が不可能だと思われた事例でも、考え方、やり方次第で可能になることもあると実例を示しながらの説明がありました。

3時間半にも及ぶ講義でしたが、それでも足りないほどの充実した内容で、非常に有意義な時間となりました。

 

研修会後には、講師の山本会員を交えての懇親会が行われました。研修会に引き続き、他支部の方も参加いただき、大いに盛り上がる交流の場となりました。

当日は、会場付近では近年まれにみる大雨で、交通機関は止まり、一部冠水している地域もありましたが、研修会終了後にはなんとか交通機関も再開し、全員が無事帰宅することができました。

魲 久美