支部の会計幹事を担当しております星原です。
リレーコラムのバトンを受けましたので、悩みましたが行政書士試験に合格したときのことと、それまでの経緯でもお話してみようかと思います。
若かりし頃、私は銀行に勤めていまして、主に渉外畑を歩いていたのですが、転機が来たのは30代半ばの頃です。転勤と同時に業務課長(預金・総務担当)を命ずるという人事発令によって、まったく畑違い業務の責任者となってしまい、そこからが大変でした。
新任店は業歴の長い駅前立地店舗で、お取引先も来店されるお客数も多く、私は慣れない業務でてんてこ舞い、特に苦慮したのが、相続に関する相談とそれに伴う事務処理でした。
金融機関は預金者の死亡を検知しますと、即時に預金凍結をしますが、これが相続人との揉め事カウントダウンの開始です。相続預金に関する苦情は枚挙にいとまがありません。
名義変更、払い出し、解約手続きについての説明を大体のお客様は理解されるのですが、中には「私が相続人だ。現に通帳も印鑑も持参した。私が言うのだから間違いない。早急に対応せよ!」と主張される方も少なくないのです。一方的な罵声を浴びながらの折衝は数えきれないほど経験しました。
そういった苦い経験、苦情を避けたいとの一心で、相続に関しての知識の幅を広げようと様々な勉強をした(せざるを得なかった)ものでした。
その後は早期退職制度を選択し銀行から転職したのですが、退職後を考える年齢に達した頃に、行政書士ならば私の経験を活かせるかもしれないと考え試験勉強を始めました。
平成26年度の試験を受けたのですが、結果は「微妙だなぁ」でした。そうして自己採点をしたところ残念ながら一問(4点)基準点に達していませんでした。絶対評価の試験ですから絶望です。そういう事から1月に合否通知書が届いても開けてもみずに、来年は多分、大丈夫だろうと試験終了直後から勉強は再開しておりました。
ところがです。合格証が届いたのです。そりゃもうびっくりでした。
何故か?その年度は、補正措置が行なわれて、合格基準点180点が166点に下げられたとのことでした。新試験移行後の異例的な初めての補正措置という、珍しい嬉しい経験を経て私は行政書士の資格をいただきました。
万々歳です。
そういう私も先日、逗子市役所で相談員としてデビューさせていただきました。緊張しましたが、どうにかお話を伺うことができホッとしながらこの文章を書いております。
今後も、様々な状況により、困っておられる方のお話を伺う機会が増えていくことになると思いますが、そういう方々に、より一層寄り添えるように、知恵と知識を深める努力をしていきたいと思っております。
どうぞよろしくお願いします。
星原 進