相続登記に続き、住所等変更登記も義務化されました。
今回初めてこのリレーコラムのバトンを受けました奥山と申します。
私は長年藤沢市にある司法書士と行政書士の兼業事務所に勤めていたのですが、昨年まず行政書士を登録、勤めながら副業として業務をスタートし、そして、今年司法書士を登録、この春より晴れて前事務所を退職し個人事務所として独立開業したところでございます。顧客満足度の向上と法令の遵守を胸にこれからも頑張っていこうと思っております。
さて、今回のコラムですが、司法書士業務である不動産登記について、少しお話しさせていただきたいと思います。
皆さんご存じだと思いますが、法改正により、令和6年4月1日から相続登記が義務化されました。「相続が発生したら3年以内にその旨登記をせねばならず、それを怠ったときは10万円以下の過料」というものです。これは、既にマスコミ等でも取り上げられているので、その情報を聞き慌てて相続手続きを行ったという方もおられるのではないでしょうか。
そして、その法改正の第二弾が令和8年4月1日付で施行されました。「住所等変更したら2年以内にその旨登記をせねばならず、それを怠ったときは5万円以下の過料」というものです。こちらは、まだそれほど周知されていないように感じます。
どちらも、空き家・所有者不明土地問題に対する国家の政策として行われたものです。 何としても税金を取りたい国の考えと穿った見方もできなくはないのですが、実際私たちの身近にもこの問題は多く存在しています。
1.危険な土地・家屋やゴミ屋敷のような空き家でも、行政すら簡単に手出しできない。
1.震災復興や公共事業が滞る。
など、ニュースで見聞きした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なんと、少し前の研究報告によると、全国約2億3000万筆の土地のうち20%超が所有者不明土地に該当し、その面積は約410万haで、九州368万haを上回っているそうです。空き家に関しては、2023年の調査で日本の7軒に1軒が空き家、2033年には3軒に1軒が空き家という予測もされています。
もし皆さんがお住まいになっているお隣りが、崩れそうな土地だったり、危険な空き家・ゴミ屋敷なのに、所有者に連絡ができないという状況は困ってしまいますよね。登記が義務化されたことにより、そういった場合の対応がしやすくなることは望ましいことと思います。
国家の対策としては、遅すぎる対応なのかもしれませんが、期待を込めて見守りつつ、私もひとりの司法書士・行政書士という法律専門家として、国民の権利と安全を守るという意気込みで業務に当たりたいと思います。
なお、相続登記の義務化については登録免許税の減免があったり、住所変更登記の義務化については検索用情報の申し出することにより職権で登記される制度があったりと、国民の負担を軽減する方法も同時に定められています。国家の政策には、アメとムチが用意されているのです。実に上手くできていると感心してしまいますね。
何にせよ、過料などというバカらしいものを払わなくて済むように、不動産の名義人に相続が発生したとか、お引っ越しをした場合は、早めに専門家にご相談ください。
関連した情報として、
1.所有不動産記録証明制度(令和8年2月2日施行)
今まで、所有不動産を調査する方法は、市役所等で名寄帳を取得する方法しかありませんでしたが、この制度を利用することにより登記名義人として記録されているすべての不動産を調査することができます。例えば、鎌倉市の自宅の他に田舎の不動産を所有している方は、今まで鎌倉市役所と田舎の役所と別々に名寄帳を請求しないといけませんでした。しかも、非課税の物件は名寄帳に記載されないこともあり、手続きが漏れてしまうこともあったと聞きます。今後は、この制度を利用することにより、全国どこの法務局でもすべての所有不動産を一か所で検索できることになります。
他問題として、
1.外国人の不動産取得に対し、不動産価格の高騰・安全保障上の問題・自然資源の保護という問題が叫ばれていますが、現在、大きな規制はされていません。
現在施行されている対策:
外国為替及び外国貿易法(外為法)→財務省への報告義務
重要土地等調査法→内閣府が「注視区域」「特別注視区域」を指定し調査・勧告
鎌倉も外国の方に人気の高い観光地ですから、もう既にオーバーツーリズムの問題は発生しているようですし、将来的に高すぎて不動産が買えない・借りられないというような状況になったりしたら、住みづらくなって困りますね。排除するのか、共存するのか、どんな形で規制するのか、皆さんも色々思うところがあると思います。
大好きな鎌倉が、これからも素敵な街でありますように、日本の不動産登記制度が良い方向に向かいますように、皆さんと一緒に力を合わせて頑張りたい。なんてことを思いながら、私は今日も、海外の観光客の方がいっぱいいる稲村ケ崎公園で、のんびりと海を眺めております。(→ただ、仕事をサボって波チェックしているだけです。)
なんだか、一方的に情報を発信しただけのコラムになってしまいました。少しでも皆さんに興味を持っていただき、活用していただければ幸いです。また稚拙な文章で読みづらい部分もあったと思いますが、ご容赦ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
奥 山 健 一